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五日物語 3つの王国と3人の女 感想

五日物語 3つの王国と3人の女 感想
@TOHOシネマズ六本木

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■STAFF
監督・制作・脚本 マッテオ・ガローネ
脚本 エドゥアルド・アルビナティ
   ウーゴ・キーティ
   マッシモ・ガウディオソ

■CAST
ロングトレリス国の女王(不妊に悩む女王) サルマ・ハエック
ストロングクリフ国の王(女狂いの王) バンサン・カッセル
ハイヒルズ国の王(ノミLOVEおじさん) トビー・ジョーンズ
ハイヒルズ国の姫ヴァイオレット ベベ・ケイヴ
妹婆インマ シャーリー・ヘンダーソン
姉婆ドーラ ヘイリー・カーマイケル
若いドーラ ステイシー・マーティン


グリム童話も影響を受けたといわれるナポリの民話集「ペンタメローネ」より、3つの物語をひとつのテーマを元に繋げ、豪華スタッフを駆使して映像化した本作。
イタリア映画で変わり種なので中々見応えはありました。衣装がとても良かったです。☆三つ。
原作が読みたい!と思っていたらなんと絶版。図書館だと読めるそうです。

ちょっと文句をつけるなら、国が変わる度に「はい!この国の話に変ったよ!!!」みたいな感じで数秒城外風景のカットが入るんですが、「景観似てて逆に迷うわ!!!」って五回くらい心の中で叫びました。

 

※ネタバレ、ちょっとグロ画像ありです。


■ロングトレリス国のおはなし

不妊に悩む女王と王は、ある晩城に訪ねてきた不思議な老人から「海の底に眠る怪物の心臓を取り出し、生娘に調理させてそれを食せば子を授かることができる」と告げられる。
王の死と引き換えに心臓を食べた女王は懐妊し、一日のうちに出産を果たすが、調理した生娘も同じように出産をしていた。
それぞれエリアス、ジョナと名付けられた男の子は双子のように似ており、また大変仲が良かったが、身分の違いから女王はそれを許さず、とうとうジョナを城下から追い払ってしまう。
ある日、ジョナの危険を知らせる泉の色が赤くなっているのを見たエリアスは、ジョナを助けに城を飛び出していった――。


原作⇒一日目 9番目のお話「魔法の牡鹿」

あらすじを見ても、え?この話が原作なの?と思う位に改編されています。

 

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エリアスとジョナの俳優さんを調べてたんですが、日本語ではあんまりちゃんとヒットしなかったです。
クリスチャン・リース
ジョナ・リース
ということはジョナは本名のままなのかしら。

 

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王の犠牲で出来た子供を、女王の犠牲で助ける、と言う「犠牲」がキーワードのお話でした。
王様が死んだ時、誰でも良いからもうちょっと焦ってよ~。無駄死にではなかったですがちょっと可哀そう。

あと、母の死を知った後のエリアスも観たかったなあ。
ラストでヴァイオレット即位のときに彼がいましたが、恐らく彼も無事即位したんでしょうね。
母の願いは叶えられていると言うことで、ハッピーエンドの部類に入る感じです。


■ストロングクリフ国のおはなし

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色好みで女狂いの王がある日美しい歌声を持った女に恋をする。一向に姿を見せないその女の正体は、実は醜い老婆姉妹であった。
欲深い姉婆ドーラは王を騙し、ついに一夜を共にしてしまう。
朝、老婆であることに気付いた王に城から追い出されるが、森で出会った魔女に若い女の姿に変えられ、王と結婚することとなる。
妹婆インマに何故若くなったのか問いただされ、理由がわからないドーラは「皮をはいだのよ」と言ってかわそうとするが、それを聞いたインマは、自分の皮をすべて剥いでしまう。


原作⇒一日目 10番目のお話「生皮をはがれた老婆」

 

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インマが皮を剥がれているときの悲鳴がキーともギャーとも付かない声で非常に奇妙でした。

若さへの執着と嫉妬、これも本当に身近な欲望なので怖いです。
不景気の時でも売上が落ちにくいのが美容業界と言う位ですから、女性の永遠のテーマであるわけですな~。
でも私は、年相応に綺麗だったら良いと思うんだけどね。

 

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若いドーラ役のステイシー・マーティンさん、本当に綺麗でスタイル良くて素敵でした。


■ハイヒルズ国のおはなし

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自分の血をあげて大きく育てたノミの皮を「何の皮」か当てた者に姫を嫁に出すお触れを出したが、なんと正解したのは鬼のような大男であった。
王の体裁を守り、泣く泣く鬼の元へ嫁いだヴァイオレットだったが、ある日崖の向こうにいた女とその家族に救出される。
ところが、意気揚々と馬車を走らせている所へ怒り狂った鬼がやってきて、次々に家族を皆殺しにしてしまう。
生き残ったヴァイオレットは、忍ばせておいたナイフで鬼の喉を切り、更には生首を王の元へと持って帰ったのだった。


原作⇒一日目 5番目のお話「ノミ」
原作では救われたところでめでたしめでたし!なんだそうです。
原作で生き残った「良い人たち」を皆殺しにすると言う…なかなかエキセントリック。

 

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恐らく原作だと「人食い鬼」とそもそも言われてるんでしょうが、映画で見ている分には「この人本当は良い人なんじゃないの?」と言う期待を最後まで捨てられませんでした。
でも実際、中盤までそこまで悪い人じゃないよね…。イケメンだったら別に良かったよね…。

 

以上です。

TOHOシネマズ六本木は、土曜でも朝だとすいているのでとても良いです~。
シネマイレージカードの期限が切れていたので、鷹の爪の吉田くんからファンタスティックビーストの絵柄に変えました。