キル・ユア・ダーリン 感想
キル・ユア・ダーリン 感想
@家
うーん。観終わった後、そんな刑期で大丈夫か?と思ってしまった。
とにかく男にモテる、デイン・デハーンの妖艶さに浸りたいなら観ても良いと思います。
また映画「バロウズの妻」に登場人物のその後が出てきているので、気になる人はチェックしてみてください。(キャストは違います)
■あらすじ
詩人の息子であるアラン・ギンズバーグ(ダニエル・ラドクリフ)は、文学を学ぶ為コロンビア大学に入学するも、堅苦しく知識を教えるだけの講義に不満を抱いていた。
そんな時、聖像破壊主義のルシアン・カー(デイン・デハーン)と出会い、そのカリスマ的な魅力に取りつかれていく。
ルシアンの仲間であるウィリアム・S・バロウズやジャック・ケルアックとも交流を持つようになり、新幻想派と銘打った文学改革思想に感化されていくアレン。
同時にルシアンに友人以上の感情を抱くようになるが、実は彼はデヴィッド・カマラーと言う男と切っても切れない関係にあり―――。
デイン・デハーンがマジにかっこいいです。
どちらかと言うと近代顔のような気もしますが、1940年代の雰囲気も似合うって最強かよ…。
ストーリーの初めの方は、平凡な一年生であったアレンが、ルシアン達と仲良くなり大学生らしい「ヤンチャ」や「文学改革ごっこ」に明け暮れる様子が描かれています。
酒、たばこ、薬…。最後が大学生ぽいのか不明ですが。
また彼の母親は精神疾患にあり(多分統合失調症かな…)、複雑な家庭環境であることもポイントとなっていきます。
学生生活を劇的に変えてくれたルシアンに惹かれていくアレン。
しかし、ルシアンにはデヴィッドと言うストーカー男がいるだけでなく、元教授の彼に論文を書かせたりと学生生活を支えてもらっていた。
この関係を終わりにしたい思っていたルシアンは、公衆の面前でデヴィッドを振り、ジャックの見ていない隙をついてアレンと熱いキスを交わす…
が!
なんと今度はアレンに自分の論文を書かせるルシアン。
好きな人に利用されている葛藤に苦しみながらも、完成させた論文を持って行くと、ルシアンはジャックと二人でパリに旅立つと言い放つ。
失意のアレンは、追ってきたデヴィッドにルシアンの居場所を教えた後、ルシアンに似た男性に初体験を捧げてしまう。
一方のルシアンは、船乗り場まで来たデヴィッドと口論になり、刺殺してしまう。
手助けをしたとしてウィリアムとジャックも警察に捕まり、アレンはルーに供述書を書いてくれないかと頼まれるが、父に見放されて正気に戻った母を教訓として、ルーの供述書は書かず、事件の真相を小説にして学校に提出する。
いや、ルー(ルシアン)がいろいろ酷すぎる。
アレンに別れを告げた後の苦しそうな表情からすると、アレンを好きだったのは間違いないのでしょうが、ひでえ。
結局のところデヴィッドもアレンもルーに利用されて終わった訳です。
しかしながらこの自由奔放で一見酷い奴なのに、悩ましくも人を魅了してしまう小悪魔的なルーを、デイン・デハーンが見事に演じすぎている。
ゲイ映画における「小悪魔」としては、ブエノスアイレスのレスリー・チャン演じるウィンなんかが王道かつ最強だと思っている今日この頃ですが、デインもレスリーとまた違う魅力があって良かったです。
デインってなんかこう神秘的と言うか、フェアリー的な儚さと妖艶さのバランスが最高なんですよね…。
ダニエル・ラドクリフのファンの方々は、処女を捧げるシーンはかなり衝撃的だったのではないでしょうか。
「あ、アレンってネコなんだ…」と。ルーはどっちなのさ!
映画の評価はともかく、ウィリアム・S・バロウズやジャック・ケルアックの本を読む良いきっかけになったと思います。